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神舟13号の乗組員が地球に帰還後初の記者会見

昨日6月28日午後、北京宇宙センターで地球帰還後74日がたった神舟13号の乗組員たちの初の記者会見が行われた。記者会見に臨んだのは、葉光富、翟志剛の男性乗組員と王亜平の女性乗組員の三名だ。彼らは、帰還後の隔離回復と心身療養を順調に行っており、現在は医学的な検査においても心肺能力、筋肉量、骨密度などが回復しているので、まもなく通常訓練に戻る予定だ。
 2021年10月16日から今年4月16日までの半年間の有人飛行任務で、三人は中国人宇宙飛行士の軌道上飛行の連続滞在時間記録を更新し、「気持ち良く」一連のイノベーティブで難度の高い科学実験と実用宇宙空間任務を遂行した。
 記者会見の場で三人は、それぞれ中国の人々の宇宙開発事業への支持と理解、関連業務に携わる人々の苦労などへの感謝の言葉を述べた。中国人宇宙飛行士の中で最も船外活動経験豊富な翟は、地上訓練においても宇宙においても「気持ちよく」いられるのは中国の有人宇宙飛行事業の発展のおかげであり、この感覚はこれからも続いていくに違いないと話した。王は中国の女性宇宙飛行士として初めて船外活動に従事した。また宇宙から教師活動を行った初めての中国人として、今後多くの中国の青少年が宇宙への夢をもち、中国宇宙ステーションの建設に参与し、宇宙ステーションがますます実用的で素晴らしいものになることを願うと述べた。葉は今回が初めての宇宙飛行だったが、国際合作プロジェクトに初参加した中国人宇宙飛行士となった。彼は、中国宇宙ステーションは各国の人々との協力を歓迎すると述べた。
 中国は、ロシア、アメリカに続き世界で三番目に有人宇宙飛行を成功させた宇宙開発大国である。また、中国宇宙ステーションの建設を着々と進めている。今回の神舟13号のミッションにも、完成が近づきつつある宇宙ステーションとのドッキングやリモートコントロール、長時間の船外活動などが含まれていた。

感想

 中国の宇宙飛行士も、ロシアやアメリカと同じく、空軍戦闘機部隊の軍人の中から選抜され、厳しい訓練ののちに宇宙へと飛び立つ。日本人宇宙飛行士のような実験などのためのミッション人員ではなく、すべての運行作業に携わることが求められる人員である。宇宙へ飛び立つことも中国語では「出征」というのだから、まさに一種の闘いだ。記者会見での発言や態度も、祖国への忠誠心にあふれた軍人ぶりを発揮していると感じた。また、宇宙飛行士を表す英語は一般的にはastronautだが、中国では taikonautという言葉がよく使われている。これは中国語で宇宙を表す「太空taikong」をつかって英語風にした単語だが、この言葉が正式に使われている辺りにも、中国の宇宙開発にかける意気込みの本気度が感じられると思う。