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監視カメラがとらえた心温まる商店主と人民警察官のエピソード

 7月16日に四川省広元市蒼渓県(中国では市の下に県がある)の商店で起きた出来事が監視カメラにとらえられており、その動画がネット上で拡散している。

 現在もゼロコロナを目指して闘いを続けている中国では、各地でロックダウンやPCR検査が常態化している。ここ数日新規感染者が増え続けている蒼渓県でも人民警察と補警(正式な公務員試験を通らずに雇用された補助業務を行う警察官)が24時間輪番体制で業務にあたっている。早朝から深夜まで炎天下のなかでもコロナウイルスとの闘いに勝利するため、また人々の健康と平和を守るために警察官たちが奮闘しているのだ。
 この出来事は、7月16日の午後、蒼渓県公安局の警察官たちが県都の北門大道PCR検査場で場内整理を勤めていたときに起きた。猛暑厳しく警察官たちは近くの商店へ冷たい飲み物を買いに行った。しかし監視カメラがとらえた映像には、代金を支払おうとした時、店主が支払いQRコードを覆って、警察官たちのミネラルウォーター料金を支払うのを「お金はいいですよ、皆さんお疲れ様です」とねぎらいながら断っているのが映っている。仕方なくミネラルウォーターをもらってそのまま立ち去ろうとする警察官に、店主はさらに「おまわりさんたち、何人ですか?水、届けに行きますよ」ともいうのだったが、それは警察官も断った。
 場内整理の任務にあたっていた警察官たちは「店の主人のねぎらいは、炎天下でアイスクリームにありつけたように感じられた。地域の人たちの理解と心遣いを受けて、今後はさらに住民サービスに努めるつもりだ。」と話したとのことだ。

【感想】
 中国の警察は、日本の警察よりも種類が様々で、その内容も司法警察、国境警備、消防など幅広い。日本なら行政の仕事となるような住民票や移民関係業務もある種の警察の業務の一部だ。そして、ここ数年はPCR検査などの防疫業務にも町の警察官たちが立ち会っている。確かに暑い中でも寒い中でも任務にあたる警察官たちは本当に大変だ。
 このニュースは、最初は地方のSNSニュースサイトで、その次に成都の地方新聞社『紅星新聞』のウェブサイトで報道された。確かに心温まるエピソードだとは思うが、この監視カメラの動画の入手経路や、なぜ商店の正面からの写真がしっかりアップで写っているか、また相手が警察官でなく、街頭清掃作業員でも同じように水を無料提供するのだろうか、など少し考えたくなる報道だなと感じた。

【参考】
http://【广元正能量】监控画面,执勤民警买水付款时被老板拒绝,称:不要钱,不要钱,你们辛苦了!|卡点|公安|战疫_网易订阅 (163.com)
http://感动!酷暑下执勤民警买冰水 小店老板连续盖码5次拒收钱:一点心意 (cdsb.com)