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高価な宝飾を宅配便で送付、配送員が荷物と一緒に「蒸発」!韻達速逓は配送員の荷物横領として通報

紅星新聞3月6日掲載の記事
(紅星新聞は、2020年11月から運用が開始された成都伝媒集団旗下の新たな報道メディア)

河北衡水に住む段女史は韻達速逓を利用して黒竜江省五大連池市の宝飾店に高価貴金属宝飾品を送ったところ、荷物が配送員と一緒に「蒸発」するという事件が起こった。配送状況は「配達済み」を示している。
韻達速逓は3月4日紅星新聞の取材に対し、調査の結果、配送員の横領によるものと断定した。現在、韻達速逓も配送員とは連絡が取れない状況で、警察へ通報。段女史は韻達速逓に宝飾品の全額賠償を求めているが、これには困難が生じている。

段女史は2月15日、宝飾店の手持ちの宝飾品を宝飾店へ送りさらに差額を支払うことで新品と交換される買取キャンペーンを利用するため、貴金属製の指輪と腕輪合わせて7200元分(日本円で約13万円)を送った。宅配便料金は8元(日本円で約145円)だったという。しかし、品物は届かなかったにもかかわらず、システム上では「配達済み」となっていた。その後、宝飾店とのやり取りを通じて荷物が未達であることが判明、調査の結果、荷物が配達員とともに行方不明であることが分かった。
段女史は、この件で韻達速逓に対し、荷物の全額保障を求めたが、韻達速逓側では段女史が荷物発送の際に運送保険料を支払っていないことから、運送費の三倍以上の支払いはできないと回答している。ちなみに、もしも運送保険料(内容物価格の5%)を支払っていた場合には、2万元を上限として賠償金が支払われる。

これに対して専門家の意見は、以下の通りだ。
陝西恒達弁護士事務所のシニアパートナーであり公益弁護活動で知られる趙良善弁護士は韻達速逓の賠償額は郵政法に観点から適切であるが、その前提として、宅配会社は補償額に関する規定を消費者に明示して注意喚起を行わなければならない。今回の場合、宅配業者はそれを怠っているので、業者側に故意あるいは重大な過失があった場合は品物の市場価格どおりに賠償するべきであると述べている。趙弁護士は宅配業者はできるだけ示談での解決を図るよう努力するべきであり、もしも示談が成立しない場合、段女史は現地消費者協会あるいは市場監督管理部門に申し出て調査処理を依頼するか、直接裁判所に権利保護を訴えることができると述べている。
北京民知弁護士事務所の趙建立弁護士は、宅配業者にはきちんと配達する義務があるが、それに対し運送保険への加入は消費者の義務とはいえない。宅配業者ははっきりと運送保険に関する規定を明示しなければならない。そして、民法の832条および833条に照らして、宅配業者は荷物の到着地の市場価格で計算された金額を支払うべきだと述べている。

★読後感★
賠償の行方についても興味はあるが、私が注目したのはやや本題とズレていることだった。
⇒全てのことが身分証で管理されている中国で、このような犯罪を起こせば、この配送員は今後配送の仕事に就くことができなくならないのだろうか?中国ではどうやって配送員になるのか調べてみたい。