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「老干媽」一部商品値上げの話題

新京報』は光明日報グループ下にあるタブロイド紙北京市の話題を中心に取り上げている。このweb版で”「老干媽」一部の商品値上げ?卸売商とカスタマーセンターはどちらも事実だと述べる”という記事が3月8日に出た。以下はその翻訳

 ここ数日、辣醤ブランド老干媽の商品値上げのうわさが流れている。3月8日、老干媽の販売元、貴陽南明老干媽風味食品有限責任公司(以下“老干媽”とする)のカスタマーサービスは、原材料であるトウガラシなどの価格上昇のためにコストが上昇したことをうけ、老干媽は各卸売商に対して価格調整の通知を行ったと公表した。3月1日から値上げが開始され、具体的な値上げ幅及び対象商品についてはまだ分からないとのことだった。老干媽の卸売商も新京報の記者に対して同様の回答を行った。
 老干媽の主要な生産品は、風味豆鼓(味付け味噌)、油辣椒(ラー油)、鮮牛肉末(牛ひき肉ペースト)、水豆鼓(発酵させた大豆をつかった酸味のある煮豆)、風味腐乳(豆腐の発酵食品)など20種以上のシリーズ商品である。最近のネット上の消息によれば、老干媽は価格調整を発表したが、その要因は、材料コスト、人件費、運送費等が年々上昇しているためだとのことで、同社は2022年3月1日から一部の商品の価格を再調整することを決定したということだ。
 3月8日、雲南省昆明市の、ある老干媽の卸売商は新京報の取材に対し、老干媽は今年3月初めにすでに1ケース(24瓶入り)の価格が20元程度上昇したが、「主な原因は、トウガラシ、油、大豆などが値上がりしたことによるコストの上昇だ」と答えた。また、値上がりしたとしても、まだ売り上げには大きな影響は見られず、依然として辣醤の中で売れ筋商品だと述べた。

 新京報の調査では、老干媽天猫旗艦店では多くの商品が値引きセールされていた。主力商品の風味豆鼓(280g/瓶)は4瓶セットで36.4元(1瓶当たり9.1元)だった。旗艦店のカスタマーサービスによると、風味豆鼓1瓶当たりの定価は継続して9.9元を維持しており、最近のセールでやや値下がりしているとのことだった。ただ、店内の商品がどれも値上がりしていないからといって今後も値上がりしない保証はないという。

 今回の値上げ情報について、3月7日、8日にわたり新京報から老干媽の社長室秘書へ電話を続けているが、現在のところ電話はつながっていない。

 2021年から大豆、豆粕、大豆油などの多くの商品が次々と値上がりしており、海天味業や金龍魚、恒順醋業など多くの調味料食品企業が続々と値上げを発表している。
以上が新京報3月8日の内容。

経済ブロガーの鞭牛士は

 昨年以来、大豆、豆粕、大豆油などの多くの商品が続々と値上がりしており、多くの食品企業が次々と値上げを発表している。最近はロシア・ウクライナの戦闘により、小麦の先物取引も大幅に値上がりする状況が起きていることに触れ、この値上げも一連の流れの中にあるとしている。

また、新京報の親グループとなる光明網では

 この値上げは、老干媽ブランドの売り上げの減少や消費者離れにつながることは必至だろうとみている。

これに対し、金羊網(羊城晩報という広州の話題を中心とするタブロイド紙のweb版)では、

 老干媽の今回の値上げは、安い河南産のトウガラシから価格上昇のために取りやめていた貴州産のトウガラシに産地を戻すため、また、2014年に創業者が経営から退いてから落ち続けている業績を回復するため、また、老舗ブランドとはいえ、他の新興辣醤メーカーの台頭に対抗するため新商品の開発等に力を回すためなどの目的があるとみている。
統計によれば、2021年に中国人の「辛い物好き人口」はすでに6.5億人を超えており、辛い物市場は毎年10%前後の勢いで成長を続けている。これを受けて、競合商品も増え続けて競争が激化しており、老干媽も新たな対策をとる必要に迫られているのだろうと分析している。

★読後感★
中国で暮らしていた時、冷蔵庫には必ず老干媽シリーズを常備していた。このメーカーのものは確かにどれも外れなくおいしくて、香りが高い。「調味料の女神」「剛需(生活に絶対欠かせないもの)」などと表現されるほどだから、人々の注目を集め値上げが大きな話題になるのもうなずける。

新京报 - 好新闻,无止境 (bjnews.com.cn)
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